第43回日本医用画像工学会大会
JAMIT2024

ご挨拶

大会長ご挨拶

大会長:清水 昭伸

第43回日本医用画像工学会(JAMIT2024)大会を,2024年8月5~7日の日程で,一橋大学 千代田キャンパス(学術総合センター内)の一橋講堂にて開催させて頂くことになりました.大会のテーマは,「AI時代のレギュラトリーサイエンス」です.現在,診断支援や治療支援のためのさまざまな医療機器プログラム(Software as a Medical Device:SaMD)が,実用化のフェーズを迎えています.このテーマは,AIの特性を踏まえた最近のレギュラトリーサイエンス(規制科学)に注目して設定しました.本大会では,SaMDを実用化する際の種々の問題に関して議論をするために,医薬品医療機器総合機構,厚生労働省,産業界,学術界からエキスパートの方々を迎えて,AI時代のレギュラトリーサイエンスのためのシンポジウムを開催します.診断支援や治療支援のためのSaMDの実用化を考えている多くの方々のご参加をお待ちしております.
また,本大会では,最新のAIに対する理解を深めていただく機会として,二つの企画を用意します.一つは,最先端のAIに関する特別講演です.国際的にご活躍されている東京大学の原田達也先生に,画像と言語の基盤モデルの現状とこれからについてお話をしていただきます.もう一つは,JAMITが現在発刊の準備をしている医用画像工学ハンドブック増補分冊版より,深層学習の原理から応用に関する幅広い話題を取り上げて分かりやすく解説するチュートリアルを実施いたします.
その他,毎年ご好評をいただいている深層学習ハンズオンセミナーに加え,JAMIT2022より始まった若手研究者によるシンポジウム,「JAMIT の未来を作ろう!」を今年も開催します.若手のみずみずしい力によってこの分野を未来に向けて力強く牽引することを目指し,今年も若手研究者を中心に魅力ある企画を用意します.
今回のJAMIT2024から,6つの学会(日本放射線技術学会,日本医学物理学会,医用画像情報学会,日本応用数理学会,日本コンピュータ外科学会,日本メディカルAI学会)との大会参加費優遇制度が始まる予定です.大会当日は,さまざまな学会の方々との交流も楽しんでいただければ幸いに存じます.
開催場所の一橋講堂のある学術総合センターは,東京駅近くの便利な場所にあり,周辺には,皇居,東京国立近代美術館,科学技術館,さらには史跡も数多くあり,周辺を散策することで様々な文化や歴史に触れることもできます.是非多数の皆様のご参加をお待ちしております.

2024年1月

第43回日本医用画像工学会大会
大会長 清水 昭伸 (東京農工大学)

学会長ご挨拶

日本医用画像工学会 会長:工藤 博幸

第43回日本医用画像工学会大会(JAMIT 2024)を,会期8/5(月)~8/7(水)にわたって,一橋大学千代田キャンパス(学術総合センター内)の一橋講堂にて清水昭伸先生(東京農工大学)大会長のもと開催させていただくことになりました.JAMIT2024のテーマは,清水昭伸先生に「AI時代のレギュラトリーサイエンス」と決定していただきましたが,その意図を以下に述べさせていただきます.2010年代中盤までの医用画像技術の最大の悩みは,多くの優れた研究成果や論文があってもなかなか実用化に至らない点にありました.これに対して,2010年代中盤に始まったAIや深層学習に基づく医用画像技術はその問題点をほぼ克服して,直近の10年間で産官学が一体となり世界的に医用画像技術の実用化が急速に進んでいる状況にあります.JAMIT大会もこの革新的な進歩とともに歩んできた歴史があり,以下は過去のJAMIT大会のテーマですが,基礎から応用へ・工学から医学応用へ・医学応用から実用化へ,の流れで医用画像分野が発展している様子が感じられます.

JAMIT2018 「イメージング技術の新潮流とAIが結合した近未来の医用画像工学を探る」
JAMIT2019 「AI時代の医用画像工学」
JAMIT2020 「AI画像:診断から治療へ」
JAMIT2021 「新たな潮流を目指して」
JAMIT2022 「コンピューティングとイメージングが切り拓く新たな医用画像工学」
JAMIT2023 「臨床サイドからみた医療AI~あらたなる飛躍をめざして~」

一方で,実用化を達成するためには,技術の良さだけでは不十分で,研究サイドは医薬品医療機器総合機構などによる承認をどのように得るか,行政サイドでは安全性を確保する方法や規制をどのように構築するかなど,科学的知見と規制などの行政施策・措置との間の橋渡しのための科学,が必要になります.これらを統合した新分野が「レギュラトリーサイエンス」で,JAMIT会員の方の多くがまだよく知らない新鮮な分野といえると思います.そこで,医用画像解析技術の実用化や行政への参画などを通してレギュラトリーサイエンスをよく知る清水昭伸先生に大会長をお願いして,皆でレギュラトリーサイエンスについて学ぶ大会にしたいと考えました.
準備の進捗状況ですが,本挨拶を執筆している3月下旬の時点において,既に清水先生を中心に考えていただいた企画物は決まっており,一般演題も募集を締め切ってCOVID-19流行前を超える約110件の発表申し込みがありました.以下に全体像を紹介させていただきます.特別講演は,AI分野の著名研究者である東京大学の原田達也先生に,画像と言語の基盤モデルの現状とこれからに関するご講演をいただけることになり,私自身も非常に楽しみにしています.チュートリアルは,JAMITが2012年に出版した「医用画像工学ハンドブック」以降の技術進歩を増補するため現在発刊を進めている「医用画像工学ハンドブック増補版」(2024年度中に発刊予定)の紹介を,執筆者の先生方にしていただくセッションを企画しました.シンポジウムは,レギュラトリーサイエンスに関するPMDA・厚労省・医療AI推進機構の方と医療機器の開発に携わった経験をお持ちの著名な臨床研究医の先生方をお呼びしてのセッション「AI 時代のレギュラトリーサイエンスについて」,JAMITのお家芸である医用イメージングの話題をモダリティごとに紹介するセッション「医用イメージングの新潮流」,JAMIT2022から新たに開始して第3回目になる「JAMIT の未来をつくろう」,の3つを企画しました.「JAMITの未来をつくろう」について詳しく紹介させてください.このシンポジウムで取り扱う内容は若手研究者を意識したもので,「研究の方法論や様式が目まぐるしく変化する現代において,若手研究者が元気に活躍して成功を納めJAMITの未来を作るにはどうすればよいか」という大変難しいながら重要な問題です.元気のよい若手研究者に思いや本音を述べてもらう,年配研究者から若手研究者に問いかけ,のようなスタイルのシンポジウム.過去の2回の成果が実を結び,「医用画像若手シンポジウム(SAMIT)」の新設(毎年秋に開催)やJAMIT若手委員会の新設,などの形で成果になり,若手が活動しやすい学会にJAMITが変遷してきている様子が感じられます.その他,ハンズオンセミナー・ランチョンセミナー・企業展示に関しては,例年通りの魅力あるものを準備しています.最後に,COVID-19の流行以降4年間実施できなかった懇親会を今回から再開することになり,各々の医用画像技術に関する議論や交流のみならず共同研究先や友人の開拓に是非ご活用ください.会員集会では,例年と同様に功績賞の表彰式を実施します.
また,今回のJAMIT2024から,6つの学会(日本放射線技術学会,日本医学物理学会,医用画像情報学会,日本応用数理学会,日本コンピュータ外科学会,日本メディカルAI学会)との大会参加費優遇制度が始まります.上記の関連学会の会員の方はJAMIT会員と同じ参加費で大会に出席できる制度です.JAMITの声がけで関連学会にご賛同いただき実現したもので,関連学会の方にも参加しやすい大会になっています.また,JAMITの学生会員の方にはJAMIT2023から参加費と入会金を値下げして,参加しやすくなっています.
JAMIT大会を都心で開催するのは第33回大会(福田国彦先生大会長:東京慈恵会医科大学にて開催)以来10年ぶりになります.今回の会場の一橋大学はアクセスがよく,COVID-19の流行も治まりアフターファイブの時間帯で交流を深めることも可能であり,JAMIT2024に多くの方が参加されることを期待しています.COVID-19が治まるまでかなりの年月がかかり毎年苦労して大会を実施してきましたが,今回の大会からCOVID-19前にほぼ完全に戻ると思います.是非JAMIT大会を覗いてみてください.

日本医用画像工学会(JAMIT)
会長 工藤 博幸